参-予算 2014年03月05日@その2

【質問要旨】健康・医療戦略について
・ 患者のニーズを把握し、戦略に確実に反映させる仕組みを作ってもらいたい。(官房長官)
・小児がんの子供たちが、家族と過ごす時間を持ちながら治療を続けられるよう、クリニックと住居が一体となった小児がん専門治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」が神戸市にできた。小児がんの子どもの看護をする家族のための宿泊施設は他にもあるが、このケモハウスは家族が滞在できるだけではなく、併設する診療所で治療も受けられるところが他の施設と違う。小児がん患者の家族にとって夢のような施設だが、住居部分が病室と認められていないため、入院基本料がつかない。また、入院していると認められないため、患者負担も大きい。ケモハウス同様の施設は全国で少なくとも5,6カ所は必要だと思う。小児がん患者とその家族を支えるためにも、速やかに規制緩和を実現してもらいたい。(官房長官、厚生労働大臣)

【速記録】
参-予算委員会-007号 2014年03月05日(未定稿)

○山本香苗君 官房長官にお伺いさせていただきたいと思います。
今国会におきましては、健康・医療戦略、これを推進するための法律案が提出されております。この戦略によりまして、国民に健康長寿社会を実現するんだ、そういうことが大きい目的として掲げられているわけですが、法案を見させていただきまして、肝腎要の、国民や患者のニーズを詳細に把握して、そのニーズを反映させていくという仕組みがないんです。是非そういう仕組みをつくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君) 委員御指摘のとおり、患者の皆さんのニーズというものをこの戦略の中にしっかりと入れ込むということは、これ極めて大事なことだというふうにそこは認識をいたしております。そして、そのことは間違いなく実行に移していきたいと思います。

例えば、現在、がんあるいは難病、こうしたものについては、厚生労働省において患者の立場からの意見を伺った中で政策をつくっているところであります。そうしたものを活用する、あるいはまた関係省庁、これは総合的に行いたいと思いますので、そうした省庁とも連携をしながら、今委員の御指摘のとおり、患者のニーズ、皆さんの様々な意見というものをしっかりと酌み取ることのできる仕組みをつくって、計画の段階からしっかりと組み入れていきたいと思います。

○山本香苗君 ありがとうございます。そこで、患者のニーズということで二点お話をさせていただきたいと思いますが、まず一点目は官房長官にお伺いしたいと思います。

今現在、白血病などの小児がんにかかるお子さん、約一万人に一人発症すると言われていますが、近年は治療法が進歩したことによりまして七割から八割治るようになってきました。しかし、入院というのは長期にわたります。本当に狭い病室の中での生活です。ベッドの上のスペースが子供の唯一の生活の場になっております。感染症予防のために病室の外に出ることもできなくて、友達にも兄弟にもなかなか会えません。親は昼も夜も子供に付き添って、簡易ベッドで仮眠しています。こんな過酷な環境の中で小児がんの子供と家族は闘っています。

こうした家族を支えるために、神戸市にNPO法人がチャイルド・ケモ・ハウスというのを造りました。ここでは、小児がんの子供と家族が我が家と同じ環境で滞在できるだけではなくて、併設する診療所で治療も受けられる、日本初の小児がん専門治療施設です。しかし、住居部分が病室と認められていないために入院基本料が付きません。そして、入院しているという形で認められないため、患者負担が増えます。そのため、今、住居部分を病室とみなしていただけるように、国際戦略特区の枠組みの中で今規制緩和を目指していると伺いました。

今、小児がん拠点病院は全国に十五あります。こうしたケモ・ハウスのようなところは、全国に少なくとも五、六か所以上は絶対必要だと思います。過酷な環境で闘っている小児がんのお子さんと家族を治療に専念させてあげたい、そういう思いで、是非とも早く規制緩和を実現していただきたいんですが、いかがでしょうか。(発言する者あり)

○国務大臣(田村憲久君) 神戸のチャイルド・ケモ・ハウス、大変すばらしい、医療機関と住居部分が併設している、そういうような施設だというふうにお聞きいたしておりますけれども、非常にすばらしい施設だというふうにお聞きいたしております。

もちろん、有床診療所の扱いになるんだろうと思うんですけれども、そうなれば、人員配置基準だとか、それから構造設備基準等々、こういうものはある程度クリアしていただかなきゃなりません。今、神戸市にお聞きしますと、神戸市も、長期間御家族が滞在されるので、果たして病院というような形で申請していいのかどうなのか戸惑っておられるようでございます。もちろん、有床診ですとちょっと細かな基準がありまして、病床のうちの半分しか、要するにこれ、差額ベッド代をもらうような個室になると思いますので、そういうものは造れないというような基準もあるんですけれども、いずれにいたしましても、神戸市、それから、当然その病床規制等々関わってくるのは県でございますから兵庫県、こういうところと密接に連絡を取り合わせていただきながら、今委員がおっしゃられたような方向性、求めておられるのであるならば、いろいろと我々も検討させていただきたい、このように思っております。

○国務大臣(菅義偉君) 一義的にはこれ厚生労働省であります。今大臣が答えたとおりだろうというふうに思います。そういう中で、他の省庁と連携をする当然必要もあるわけですから、実際これは許認可が神戸市でありますので、今総理がこれはやった方がいいって言っていましたけれども、いずれにしろ、政権として、そこはそうした方向でしっかりとこれ検討させていただきたいと思います。

○山本香苗君 総理も小さい声でやった方がいいとおっしゃってくださったのを私も伺いましたので、是非よろしくお願いしたいと思います。